東区薬剤師会研修会(患者・地域住民をかかりつけに)

福岡県薬剤師会 副会長
髙木 淳一 先生(誠心堂薬局)
薬剤服用歴と服薬管理指導料
薬歴の歴史
-
調剤料のみからスタート
-
佐谷圭一氏 薬歴カードを全国に広めた
-
薬歴5点スタート
●薬歴
病名ではなく具体的な症状を歴に残す。
→初期症状をきちんと知っておく
●疾患
可能な限り患者様から教えてもらう。
薬剤により用法・用量が違うため
チェック項目と薬歴の内容の齟齬がないように
●お薬手帳なし
きちんとお薬を持参しない人には持参の必要性を指導をして59点算定するように
●併算定不可(服薬管理指導料との)
在宅患者訪問薬剤管理指導料
●重要ポイント
フォローアップ(継続的服薬指導料)
- 必要性に応じて個別に判断した上で適切な方法で行う。
- 疾患の状況・併用薬・相互作用・服薬状況・副作用発現状況など
- 電子メールなどの一斉送信ではなく、個々の状況に応じて対応
- 「薬剤使用期間中の患者フォローアップの手引き」等を参照
薬剤服用歴記載
基本的には、患者からどのような情報を聞き出す?を念頭においたうえで患者対応。
薬剤師として当たり前のことは薬歴に記載しなくて良い。
-
継続の場合、効果は?副作用は?併用薬は?重複は?嗜好品・食品併用は?など要領よく確認して薬歴に反映。
-
SOAP形式で記載
服薬指導時の内容の要点を要約して記載する。
「私はこう思った」などの主観や、「すごい」「たくさん」「美しい」などの形容詞は不要。
正確な情報として事実を端的に述べた後で、評価として「私はこう考える」というふうに主観を記載する。
次回につながる薬歴記載する。
「患者の歴史と薬剤師のメッセージ」
薬剤服用歴の実例と今後
●要点をまとめる力を強化
●要約力を身につける
「入院予定」
どのような症状で入院予定なのかを記載。
「残薬あり」
なぜ?飲み忘れているのか?
「高齢者」
高齢者は腎機能が落ちている可能性が高い。
●副作用症状の発現時期も重要
→フォローアップのタイミングの参考に
●ハイリスク薬について
必要項目のみ記載
●薬剤の変更フォロー
効果、副作用などを次回確認するように薬歴に残しておく。
●患者の流れがわかりやすい薬歴に
次の薬剤師が服薬指導をしやすいように流れを作る。
新規・個別指導項目まとめ
★デエビゴ、マイスリー、ベルソムラに関して、就寝前の用法の場合、就寝直前の確認を疑義紹介し、確認している旨を記載する。
★ビタミン剤の漫然投与、定期的な効果の確認。漫然投与は疑義紹介。
★プロトンポンプ阻害剤の服用週を超えた場合疑義紹介。
●AI薬歴
薬剤師と患者の会話を記録した上で、要点をまとめSOAP形式に編集してくれる。
難点:一定の会話量が必要となる。
用法用量のみの説明だとSOAP形式への編集が難しい
chatGPTの出現
- AIが作成する文章が大きく変わった
- 精度は良くなっている上に、文字を起こすだけではなく、まとめる能力があがり、使っていくほど情報が収集され、能力が上がっていく
- 患者ごとの指導内容の提示がきちんとできるようなシステムがさらに加わると新人でも経験者と同じ対応可能
- 知識・会話・判断・助言・よりそうことが引き続き大切。
まとめ
1.ヒト(人材)への取り組み
2.モノ(設備・資材)への取り組み
3.カネ(資金・投資)への取り組み
薬局でのDX施策
済:電子薬歴システムの導入
済:電子処方箋システムの導入
- 在庫管理のデジタル化
- 顧客管理・ヘルスケアアプリの活用
- AIを活用した薬剤師支援ツール
- オンライン相談・オンライン服薬指導
- データ分析による経営改善
地域支援体制加算2を目指して取り組んでください。
真に地域から選ばれる薬局へ
→地域の健康寿命延伸支援業への転換が求められる。
▼資料ダウンロードPDF▼
